市営の図書館,ではなく,「書店」
『東京新聞』(2016年12月9日,朝刊)に,
青森県八戸市で4日、市営書店「八戸ブックセンター」がオープンした,という記事が載っていました。
「地元の小さな書店では入手しにくい,売れ筋ではないが、知的好奇心を刺激するような良書」を揃えたとのことです。また,本だけでなく,コーヒーやアルコールも販売しているとのこと。
どんな本が並んでいるのかはわかりませんが,たぶんいわゆる専門書が並んでいるとおもわれます。仮説社ももちろん専門書出版社です。このような書店ができることはたいへんうれしいです。歓迎します。
ひとつ興味深いのは,「本だけでなく,コーヒーやアルコールも販売している」という点です。これはいいですね。全国で書店がどんどん潰れている今,書店の生き残り策のひとつとして,「本以外のものも売る」という方法が有効なのではないかとおもうからです。
いまでも,文房具を書店の一隅で売っている店はけっこうあるとおもいます。また,書店の一部を喫茶店のようにしている店もあります。が,本とコーヒーやアルコールをほとんど同等にあつかっている店はまだまだそんなにないのではないでしょうか。これからは,本もおいてある雑貨屋さんのようなお店が増えてくるのではないでしょうか。もっとも,雑誌や本と,それ以外の雑貨は,仕入のルートがちがったり,あつかいの方法もちがったりするので,経営者はたいへんになるとおもいます。それにどう対処するかという課題はあるとおもいます。
ひとびとが本に接することのできる空間がなくならないようにするにはどうしたらいいのか。まだまだ最善の解決策は見つかっていないとおもいます。